自転車のマナー
| 2011.10.19 水曜日 | 弁護士の眼(大和克裕) |
自転車のマナーについては、最近ピストと呼ばれる自転車のブレーキ不備が問題となってマスコミ等でも話題になっています。今日も警視庁が自転車の歩道通行禁止を徹底するとのニュースが流れていました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111019-00000015-mai-soci
自転車のマナーについては1年半ほど前に大阪弁護士会のホームページで書きました。http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/39/entry/268
若干修正しますと、自転車が横断歩道を進行してはいけないのはそのとおりなのですが、いわゆる歩行者信号がある場合には横断歩道は進行して良いことになっています。
このような自転車の交通マナーの悪さは、自転車と歩行者は同じだと勘違いしていることから生じるのだと思います。
確かに対自動車の事故では両者とも弱者になっていますが、自転車対歩行者で同じと考えるのは大間違いです。
昨年3月に東京や大阪などの交通事故専門部の裁判官が話し合いをし、歩道での自転車と歩行者の事故は原則として100%自転車に過失があるという結論になりました。
つまり、見通しの良い歩道で自転車と歩行者が両方とも避けずに正面衝突した場合、原則として自転車が100%悪いということになります。
「歩行者から自転車が見えていたじゃないか」とか「歩行者も避けれたはずだ」という主張は一切認められません。「歩行者に避ける義務はない」「自転車が避けるか止まれば良かった」「自転車が歩道を走らなければ良かった」で一蹴されてしまいます。
相変わらず、ベルをうるさく鳴らして歩行者をよけさせて、かなりの速さで走っている自転車を見かけますが、このようなことを全く分かっていないのでしょう。いつ加害者になってすべての責任を負わねばならなくなってもおかしくないのです。
自転車が歩道を走ることはバイクが歩道を走るのと同じだという認識をぜひとも持って欲しいと思います。
大和克裕